「遺書 ー 西部邁」評伝西部邁ー高澤秀次 著 から
「遺書 ー 西部邁」評伝西部邁ー高澤秀次著 から 娘 西部智子 への遺書 僕は、穏やかな自然死などは望むべくもないので、また病院死における無益な孤独と無効の治療を忌むものですから、君にこれ以上の迷惑をかけたくないので、ここに自分の「生き方としての死に方」たる自裁死を選ぶことにしました。そうした考え方については僕の書物群に何度も説明している通りなので、君は、...
View Article「素白先生の散歩道 ー 池内紀」新・ちくま文学の森 心にのこった話 から
「素白先生の散歩道 ー 池内紀」新・ちくま文学の森心にのこった話 から旧川越街道は練馬を復けて成増、ついで野火止の平林寺のわきをかすめていく。地名標示が東京都板橋区から埼玉県和光市にかわる旧道わきに「白子坂下」というバス停があって、細い道がわかれ、ゆっくりS字型にうねりながら古い家並みへと入っていく。川越街道間[あい]の宿、白子の里である。...
View Article「放送(物語放送のコツ) ー 徳川夢声」話術・徳川夢声 新潮文庫 から
「放送(物語放送のコツ) ー 徳川夢声」話術・徳川夢声新潮文庫からまず、台本について申上げる。放送局から渡される台本に、二通りある。そのままに読めばよろしい台本と、自分で工夫して手を入れねばならぬ台本とである。後者は、厳密にいうと台本というより、...
View Article(巻四十三) 手をはなすやうに一葉の落ちにけり(岡本保)
3月16日日曜日雨。朝家事は掃き掃除。その後、英聴と筆写で時を過ごし、昼飯は納豆ご飯に味付け海苔と昨晩の残り物。昨晩の残り物、美味し。俳壇から和菓子屋へ梅咲く道を選びけり(をがはまなぶ)を書き留めた。雨止まず、散歩せず。久しぶりに寒し。できることできないことに春がくる(徳永政二)願い事ーポックリ御陀仏。知らずに仏。昨日はブログ「随筆筆写」に63人の方が訪れ、74のアクセスがあった。トップはアクセス8...
View Article「猫町 ー 萩原朔太郎」岩波文庫 猫町他十七篇 から
「猫町ー 萩原朔太郎」岩波文庫猫町他十七篇 から1旅への誘[いざな]いが、次第に私の空想[ろまん]から消えて行った。昔はただそれの表象、汽車や、...
View Article「月 ー 上田敏」日本の名随筆58月 から
「月 ー 上田敏」日本の名随筆58月 から むかしより月をめづる人多し。あるは歌に詠じ、あるは文に属し、語をつくして、ほめたたふ。...
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