(巻三十四)売れ残る目なし達磨の日向ぼこ(半田かほる)
(巻三十四)売れ残る目なし達磨の日向ぼこ(半田かほる)7月23日土曜日洗濯機を買い換え、洗剤も粒状のニュー・ビーズから液状のニュー・ビーズに代えた。その液状の方は矢鱈とバラ臭が強くTシャツを着替える度にバラのトンネルをくぐるというよりも場末のスナックのトイレを借りるような心持ちになる。つつまれていて薔薇の香を忘れたり(今橋真理子)午前中に水道メーターの交換工事が予定されていて、この手の予定に振り回さ...
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(巻三十四)置きに来し波のしりぞき桜貝(西宮陽子)7月31日日曜日今朝は天気予報のことなど話しながら機嫌よくお越しにきた。借りてきた『法学教室7月号』を捲る。表紙の隅に“Magazine For Law...
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(巻三十四) 短夜のいのち拾ひし物語(大堀鶴ろ)8月1日月曜日起こしに来たのでお祝いを申し上げる。物はいらないと言っているので何もあげない。友達から祝メールも入っているようだが、例年贈り物の交換しているクラスメートからの便りがないらしい。「何かあったのかしら?」と気にしている。作務・修行は布団カバーの洗濯と拭き掃除。お昼はソーメンを茹でてBIRTHDAY...
View Article(巻三十四)男運悪く水着のよく似合ふ(滝口明男)
(巻三十四)男運悪く水着のよく似合ふ(滝口明男)8月3日水曜日動いてはいるが、エアコンの調子がイマイチだそうで細君がURのサービス・センターに電話していた。エアコンの横に貼ってある管理票には平成22年10月設置と記されているからいつ壊れてもおかしくない代物だったのだ。URから設備会社、そこから下請けと指示が下りていくのだろうからいつどうなるのやらである。細君の観察に依れば川下に行くほど人間味が出てく...
View Article(巻三十四)身を曲げて蜥蜴ふり向く親しさよ(横田呂畔)
(巻三十四)身を曲げて蜥蜴ふり向く親しさよ(横田呂畔)8月4日木曜日生協に出かけた細君が今朝は涼しくてとても気持ちがよかったと戻ってきた。予報では30度に届かないだろうと云っていた。11時ころ遠雷が近雷に変わってきた。まだ雨は落ちず。遠雷や帰りを急ぐわけもなし(拙句)というのを7年前に捻っていた。昼にゴミ捨てに出たが、通路に蝉を見た。ひっくり返っていないからまだ生きているのだろうが、もう蟻が体に乗っ...
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