(巻三十四)置きに来し波のしりぞき桜貝(西宮陽子)
7月31日日曜日
今朝は天気予報のことなど話しながら機嫌よくお越しにきた。
借りてきた『法学教室7月号』を捲る。表紙の隅に“Magazine For Law Students”とあるから学生向けなのだろうが読んで理解できるところ、理解できずとも興味をもって読めるところは僅かで、判例セレクトの刑法、刑訴法、判例によっては行政法だけである。
今月号は刑訴法の判例セレクト、
《「被疑者が出したごみの回収行為について令状によらない違法な捜索・差押えに当たるとされた事例 - 駒沢大学准教授田中優企」法学教室2022年7月号
東京高裁令和3年3月23日判決
平成30年(う)第1390号わいせつ略取誘拐、強制わいせつ致死、殺人、死体遺棄被告事件
■論点
被疑者が居住するマンション敷地内のごみ集積場に出したごみについて、警察官が無断で立ち入って回収した行為は「遺留物」の領置として適法か。
〔参照条文〕刑訴218条1項・221条
【事件の概要】
警察官らは、DNA型鑑定に必要な資料採取のため、令状を取得せず、任意提出にもよらずに、無断で本件マンション(被告人が建物全体の所有者)敷地内の本件ごみ集積場に立ち入って被告人のごみを回収する計画を立てた。
本件ごみ集積場(居住部分と独立し、屋根及び正面に施錠設備のない引き戸があり、残る三方はブロック壁)は、公道に向かって柵等かない開放された本件マンションの駐車場の端にあり、公道直近に位置していた。被告人は本件マンションの管理業務をX会社(以下、本件管理会社)に委託し、同会社は本件ごみ集積場も管理していたが、本件ごみ集積場を含めた本件マンションの定期清掃業務をY会社に委託していた。ごみの収集は、Z市環境清掃協業組合が行っていた。
警察官らは、他の方法では資料採取ができなかったため、上記計画に従い、浮浪者風に変装した警察官が本件ごみ集積場に立ち入り、被告人が出したごみ(以下、本件ビニール袋)を回収した(以下、本件回収行為)。
鑑定の結果、本件ビニール袋から入手した吸殻(以下、本件吸殻)から採取されたDNA型と被害者の身体等から採取されたDNA型が一致したため、警察官らは、鑑定結果を疎明資料に発付された逮捕状に基づいて被告人を逮捕した。
第一審(有罪・無期懲役。千葉地判平成30・7・6)では、被告人は、本件回収行為の違法性及び本件吸殻に関連する証拠排除を主張しなかった。》
が少し理解できた。
事件自体も千葉県の東武野田線沿線の高柳か六実のあたりで起きたもので、PTA会長が外国人少女を殺害した事件だなと察しがついた。
狐火や顔を隠さぬ殺人鬼(大沢鷹雪)
「領置」という用語を知ったのは50年ほど前で、外国から到着した旅客機に乗客が降りたあと入港検査という権限により機内に立ち入り、ごみ箱などを漁って免税店のレシートを集める仕事をしたことがあって、拾い集めた中から役に立ったものを任意提出・領置目録なる様式に記入したことがあった。
烏瓜税につく嘘相似たり(川畑火川)
事件の論点も面白いが、この種の文体も好きで読んでいる。
散歩は4時過ぎからで、都住2で太郎と花子にスナックを振るまい、都住3ではサンちゃんのお食事を眺めた。サンちゃんは食後、しばらく身繕いしたあと、近寄ってきたので撫で撫でしてあげた。今日はサンちゃんも機嫌が良かった。フジちゃんはただごろ寝。
願い事-電球が切れるが如くで細君より先にお願い致します。怖くない、怖くない。
毎朝の薬のチェック・リストが埋った。3月28日月曜日から126日も生きた。死ねないから、まだ続くのか。