(巻二十九)何たる幸せグラタンに牡蠣八つとは(守屋明俊)
(巻二十九)何たる幸せグラタンに牡蠣八つとは(守屋明俊)5月1日土曜日快眠とは云えなかったが、暗闇で煩悶することはなく朝を迎えた。4部屋の掃除機がけとシーツ2枚の洗濯をした。洗濯屋に出来上がりを受け取りに行ったが、午後に届くとのことで空振り。洗濯屋から戻ると玄関のドアに蛾が停まっていた。急ぎ割り箸で摘まみ手すりの外へ放り投げた。とりあへず割箸さがす毛虫かな(矢野誠一)ミカンの芋虫は健在であるがあちこ...
View Article(巻二十九)しぐるるや近所の人ではやる店(小川軽舟)
(巻二十九)しぐるるや近所の人ではやる店(小川軽舟)5月2日日曜日フィリピンのアキノ元警部さんから顔友の振り込みがあった。あれから25年以上経った。フィリピンでも色々なことを夢中でやったが、「終ってみれば」の感はある。三匹の芋虫は元気に若葉を食い散らかしている。春雷のため散歩は致さず。ゴミを集積場まで持って行ったり、建物の周囲をチョロチョロして七百歩ほど歩いたらしい。願い事-叶えてください。さっさと...
View Article(巻二十九)小当たりに恋の告白四月馬鹿(中村ふじ子)
(巻二十九)小当たりに恋の告白四月馬鹿(中村ふじ子)5月3日月曜日昨夜アキノさん(中央)と近況交換。冬蜂に蜜の記憶のありやなし(谷口智行)午前は家事多し。4部屋の拭き掃除、4部屋の窓の敷居掃除、マット干し、布団干し、毛布干し、洗濯物干し、クリーニング屋からのアップ、昼食の温め。午前はこれで終わる。芋虫に異変あり。太郎虫が消えた。食われてしまったのだろうか?二郎虫、三郎虫は健在である。後方は異変を知ら...
View Article(巻二十九)夕立や樹下石上の小役人(小林一茶)
(巻二十九)夕立や樹下石上の小役人(小林一茶)5月4日火曜日家事の少ない午前中でした。細君は生協へ出かけ、菖蒲も買ってきた。サトイモ科あやめ科菖蒲混乱す(矢島三栄代)午後、近所の生協とドラッグストアにはニュー・ビーズ(洗濯洗剤)がないのでスギ薬局まで買いに行った。衣類の洗剤は粉体から液体が主流になって久しい。ここの店も殆ど液体だ。途中で鯉のぼりを仰ぐ。厨事-夕食に親子丼を作る。砂糖大さじ1、みりん大...
View Article(巻二十九)爪汚す仕事を知らず菊膾(小川軽舟)
(巻二十九)爪汚す仕事を知らず菊膾(小川軽舟)5月5日水曜日天気の悪い日に洗濯日が巡ってくる。部屋干しにした。雨が降りだす前にと昼食後すぐに生協まで買い物に出かけた。雨粒の落ち始めたところを逃げ帰り千四百歩でした。昼寝時々家事で豚と玉葱の醤油焼き、と言うか生姜焼きの生姜抜きだな。それを作った。砂糖大さじ1みりん大さじ2醤油大さじ2で、家中醤油の匂いになる。新玉だからどんなにむごいことをしても美味しい...
View Article(巻二十九)黙々と襷の走者息白し(伊藤典子)
(巻二十九)黙々と襷の走者息白し(伊藤典子)5月6日木曜日ベランダから手を出して雨があがっているかを確めて、細君は生協に出かけて行った。二階より手を出してみる春の雨(溝渕弘志)午後の散歩は連光寺さまへの月詣りと致した。本日は三千百歩で階段は2回でした。願い事-叶えてください。後悔も何も、そんなものは無かったことにしたい。そんなものは無かったことになるからこれは願いが叶う。
View Article(巻二十九)わが旅も家路をさしぬ都鳥(下村梅子)
(巻二十九)わが旅も家路をさしぬ都鳥(下村梅子)5月7日金曜日昼頃戻ってきた細君に拠れば連休明けのクリニックは客を追い返すほど混んでいたらしい。明日も混むらしいので明日に予定していた血圧検診は月曜日に延期しよう。午後の散歩は駅前まで脚を延ばした。喫煙場の側を通ったが、吸いたい気持ちも起きず通り過ぎることができた。露の世の酒と煙草を断つ余生(赤川静帆)積極的に断つと云うわけではなく、呑みたい吸いたいと...
View Article(巻二十九)不器用も器用も一生去年今年(榎本木作)
(巻二十九)不器用も器用も一生去年今年(榎本木作)5月8日土曜日4部屋の掃除機掛け、台所換気扇のフィルター交換、洗濯とこなして昼食の準備など致して午前を終わる。午後の散歩は図書館と生協での買い物にした。図書館では予約してあった4冊をお借り致した。うち1冊が『唯脳論-養老孟司』である。帰宅して挑戦してみたが、到底理解できる書物ではなかった。ではあったがその中の「心身論と唯脳論」という節の一編〔心は脳か...
View Article(巻二十九)皸(あかぎれ)の妻おのれ諸共あはれなり(石塚友二)
(巻二十九)皸(あかぎれ)の妻おのれ諸共あはれなり(石塚友二)5月9日日曜日目覚めが宜しくない。世事が眠りに染み込んでくるのだろう。世事はみな人にまかせて花と鳥(井上井月)の境地に凡人は至れない。家事の少ない午前中を座椅子でごろごろして過ごす。午後は散歩と雑貨の買物をした。箪笥用防虫剤やコロコロと云った掃除用具、水道の簡易浄化栓などを買ったのだが五千円近くになった。歩数も五千歩くらい行けばよいのだが...
View Article(巻二十九)おとろへしいのちに熱き昼の酒(結城昌治)
(巻二十九)おとろへしいのちに熱き昼の酒(結城昌治)5月10日月曜日芋虫次郎が今朝無事に青芋虫になった。芋虫三郎はまだ黒芋虫だが葉の裏側で生き延びてていた。芋虫の一夜の育ち恐しき(高野素十)次郎の頭にはポツンと小さな目がある。次郎の脳に私の顔はどのような幻として映っているのか?と、私は自分の脳の中で次郎の脳の内のことを考えた。覗く目を逆に覗きし金魚鉢(杉山そうしゅう)午前、血圧の診察へ出かけた。混雑...
View Article(巻二十九)豆飯の豆の片寄る懈怠かな(宮内とし子)
(巻二十九)豆飯の豆の片寄る懈怠かな(宮内とし子)5月11日火曜日午前、細君は眼科へお出かけになる。夫婦していろんなお医者の世話になっていて、それぞれが月に七千円くらいの医療費を遣っている。温泉にも、観劇にも、食事会にも行かないし、酒も煙草も嗜まないし、他の贅沢も一切しないし、着道楽はもとより趣味道楽に金は掛けない夫婦だからお医者へ行く未練は許して頂こう。道楽を許さぬ家訓かまど猫(卜部黎子)家事は洗...
View Article(巻二十九)証券に長けたる女西鶴忌(田島もり)
(巻二十九)証券に長けたる女西鶴忌(田島もり)5月12日水曜日昨晩はFM葛飾の汽車ポッポを聴きながら就寝といたした。ダイヤ改正九州編であったが、とにかく減便打ち切り大赤字と暗い話が続く。世の中がどうなるかと心配しても仕方がないが、沈む。 みちのくの夜長の汽車の長停り(阿波野青畝)...
View Article(巻二十九)道楽を許さぬ家訓かまど猫(市川英一)
(巻二十九)道楽を許さぬ家訓かまど猫(市川英一)5月13日木曜日配車をお願いしたタクシーに乗り眼科へ向かう。予約と配車の料金が掛かるが、お客さん扱いをしてくれるので気持ち良く利用させていただき、よかった、よかった。経過は順調のようで、よかった、よかった。点す目薬は全部で五種類あるらしい。それぞれ5分間開けての点眼だと言うから30分くらいかかるわけだ。これが一日4回だと言う。目薬を“さす”というときの...
View Article(巻二十九)自らは打てぬ終止符水中花(卜部黎子)
(巻二十九)自らは打てぬ終止符水中花(卜部黎子)5月14日金曜日今日も術後の治療で眼科へお伴いたす。経過良好のようで手短に終わりバスで帰宅。すぐに生協へ買い物に出掛けて果物、乳製品ほかを買う。買い物が午前中に片付いてよかった、よかった。生協から戻り、洗濯を致した。今日は洗濯日和だが、明日以降は曇・雨になるらしい。夕方、弁当を買いに出かけた。本日は四千八百歩で階段は3回でした。願い事-叶えてください。...
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