(巻二十八)糸電話古人の秋につながりぬ(摂津幸彦)
(巻二十八)糸電話古人の秋につながりぬ(摂津幸彦)12月29日火曜日散歩:今日は駅前の肉屋で牛肉を買って来いと云う。生協にも牛肉はあるが、気合いが入っている。とは行っても、長崎、山形、三重(松坂)のなかの長崎のすき焼き用を買って来いというのだから大盤振る舞いではない。十二月肉屋に立ちて男の背(正木浩一)細君が大盤振る舞いなど初めたら心配になる。細君からのニュース伝聞によれば山手線の乗車率は10%だと...
View Article(巻二十八)ストレスは吐き出すものと鵙高音(物江晴子)
ストレスは吐き出すものと鵙高音(物江晴子)12月30日水曜日細君は生まれ変わるつもりのようで、小鳥に生まれ変わりたいとか言い出した。(生まれ変わるとすれば鵯だろうと思う。百舌鳥かな。)小鳥も楽じゃないと思うよ。雀の巣なんかはしょっちゅうカラスに殺られて食べられてしまうらしいよ、と注意しておいた。白鳥や空には空の深轍(高野ムツオ)昼飯は一緒になるがラジオがうるさい、苛立たしい。流れてくる音楽は我慢でき...
View Article句集
令和二年大樟に極まる今年見しものの現世に強き妻いて懐手 在宅のたまに出ていく歳の暮木枯しや後は野となれ山となれ 血圧の上がる寒さとなりにけり天高く寺の掲示や出来不出来柿色になつたかしらと抜ける路地読書妻君の偏差値十高し息吹きて虫を退治やいい男 鶏頭に脳みる脳の朧かな 泣く虫や泣いて出てきた道化の世細罫の燃やす句帳の殖えて秋灼けかたの違ふ野球部蹴球部油照り君金策へ僕昼寝 世の中は回つているか今年米...
View Article(巻二十八)大正のロマンが好きと色の足袋(尾畑悦子)
(巻二十八)大正のロマンが好きと色の足袋(尾畑悦子)12月31日木曜日大晦日につき、今年のうちに掲載致しました。毎年大晦日はこの句にしている。大晦日定めなき世のさだめ哉(西鶴)今年は本当にそんな大晦日になってしまった。この先どうなるのだろう?大晦日が木曜日だから4日は月曜日か。在宅が増えているとはいえ、4日月曜日から週末までというのは嫌なものだろうなあ。と最後までネガテイブにものを考えて一年の納めと...
View Article(巻二十八)まとまらぬままに風鈴売りの音(斎藤朝比古)
(巻二十八)まとまらぬままに風鈴売りの音(斎藤朝比古)一月二日土曜日本日の句は季節感ズレズレだが順番だからズラさない。去年の初夢は、初夢の好色にして恙無し...
View Article(巻二十八)アスファルト地獄に出づるみみずかな(瀧澤静)
(巻二十八)アスファルト地獄に出づるみみずかな(瀧澤静)1月3日日曜日巻二十八は夏に巻いたようで季節感がまったくずれていますが、仕方がない。世の中のことが知りたくなくなると駅伝もサッカーもラグビーもどうでもよくなってしまう。これはあまりよいことではないのだろうが、“死人”に耳なしである。考えず読まず見ず炬燵に土不踏(伊藤松風)こうなってくると痴呆予備群の一人だが、呆け防止は俳句と英語と思い精進してい...
View Article(巻二十八)日短かやかせぐに追ひつく貧乏神(小林一茶)
(巻二十八)日短かやかせぐに追ひつく貧乏神(小林一茶)1月5日火曜日血圧の上がる寒さに入りにけり(駄楽)と云うことで今日が寒の入りだそうです。数値は130-80くらいで上限値に上下共にあと5というところです。散歩:読み終った本を返しに駅前まて歩いた。8冊だとずっしりと重くなる。この8冊はあまり水揚げのよくなかった本だからさっさと返したいのだ。返すだけで予約した本はまだまだだろう。図書館が閉鎖になるの...
View Article(巻二十八)不祝儀の袋書きをり祭笛(水谷芳子)
(巻二十八)不祝儀の袋書きをり祭笛(水谷芳子)1月6日水曜日午前、細君は新しいガラホへの切り換えでオペレーターさんと電話している。オペレーターさんも大変だ。飼い馴らす携帯電話露の夜(鈴木明)散歩:コンビニから生協というコースを歩いた。午後2時の生協はガラガラでこの時間がよいかもしれない。品物も欠品はないし、レジのおばさんたちも暇そうにしているから、小遣いで買う菓子や酒やつまみの別打ちが頼みやすそうだ...
View Article