(巻二十七)秋暑し今も句作に指を折り(松井秋尚)
(巻二十七)秋暑し今も句作に指を折り(松井秋尚)10月5日月曜日敢えて申せば、扇風機を片付けた。各部屋に置いてあるので4台になる。羽根と網に埃が付着する。特に台所の扇風機は油が飛ぶので埃もコビリ着いている。この埃を腰を屈めて拭き取る仕事なので、休み休みしながら小一時間かかった。出来事と云えば床屋へ行ったことだろうか。おばちゃんは相変わらず神経質にコロナ対策に邁進していた。前の人が置いた帽子の跡まで消...
View Article(巻二十七)日時計に影できている月夜かな(鹿又英一)
(巻二十七)日時計に影できている月夜かな(鹿又英一)10月6日火曜日美容室から戻った細君のビッグニュースはコロナ絡みでありました。美容師さん曰く、奥さんのバイト先の中華屋の料理人が羅ったので慌てそうだ。隔離して結果を待ったそうで、“白”判定が出たとき、奥さんは感極まって泣き出したそうである。我が家では今のところ、この話がコロナの最も身近な話である。オレオレ詐欺を撃退した話を身近な話として耳にした。宝...
View Article(巻二十七)立ちさうでたたぬ茶箱さくら餅(丸井巴水)
(巻二十七)立ちさうでたたぬ茶箱さくら餅(丸井巴水)10月7日水曜日部屋着を短パン・ティシャツからチノパン・長袖シャツに更えた。食事の時間が変わった。夕飯を病院食の如く五時半ころ食べていたが、これが七時半に繰り下がって、細君の入浴中に独りでいただくことになった。テレビのニュースを見ながら飯を食うのは嫌だという私の希望がこのような力関係が歴然とした形で実現したのである。さりながら腹はへりけり山桜(東渚...
View Article(巻二十七)春の日や踊おのづの身のこなし(久保田万太郎)
(巻二十七)春の日や踊おのづの身のこなし(久保田万太郎)10月8日木曜日区役所が無料でインフルエンザの予防注射をしてくれる。今日の午後3時がその予約日時なので風雨ではあったが駅前クリニックに出かけた。受付で問診票を提出したが、作成日と接種同意の○付けの2ヶ所に記入漏れがあり呼び出しされた。ボケてきたのだろう。医師の問診を受け、普段は見かけない三十がらみの小柄美形の看護師さんに前屈みになって注射してい...
View Article(巻二十七)寒夜この人とこうしてここに居て(杉浦圭祐)
(巻二十七)寒夜この人とこうしてここに居て(杉浦圭祐)10月9日金曜日去年の19号のようなことはなさそうだが、台風が接近している。明日は買い物には出られまいと細君は傘をさして生協へ出かけた。細君が戻り、買い残した牛乳とか液体調味料とか料理ワインなどどちらかと言えば重い物を買いに出かけた。今のところ生協の棚に売り切れなどの緊迫感は見られなかった。私に買う物はジャガイモ、タマネギ、ニンジン、キュウリ、ピ...
View Article(巻二十七)意にかなう酒のありけり春の雨(宇多喜代子)
(巻二十七)意にかなう酒のありけり春の雨(宇多喜代子)10月10日土曜日午前中に部屋の掃除を致した。雨は降っているが、風はまだ無くうつくしや上から下へ秋の雨(上田信治)と今のところ穏やかに降っている。土曜日昼前のラジオ俳句を聴いた。選者が西村和子氏でお題が無花果ときた。やはり高齢者の集いのようになる。凡句よし駄句よし宇治に赤とんぼ(清水哲男)雨が降り寒い。寒いのでくしゃみがでる。家に籠ってくしゃみを...
View Article(巻二十七)ごくまれに闘志湧きくる雲の峰(桂木遙)
(巻二十七)ごくまれに闘志湧きくる雲の峰(桂木遙)10月11日日曜日午後、いつ雨が落ちてきても逃げ帰れる近場を歩いた。本日二千五百歩で階段は3回でした。朝日俳壇:今日は御常連が少ないようだ。納得のいかぬ顔して捨案山子(あらゐひとし)を書き留めた。なるやうにしかならぬ世の良夜かな(青野迦葉)露の世とおもひ逆らはざることに(今村征一)と諦観の句に目が行きました。案山子の句では、倒されて案山子は天を知りに...
View Article「他者とのキャッチボールを(後半抜書) - 色川武大」ちくま文庫 色川武大・阿佐田哲也ベスト・エッセイ から
「他者とのキャッチボールを(後半抜書) - 色川武大」ちくま文庫 色川武大・阿佐田哲也ベスト・エッセイ...
View Article(巻二十七)ITの今浦島や春寒し(藤岡尚子)
(巻二十七)ITの今浦島や春寒し(藤岡尚子)10月12日月曜日細君が生協に出かけて、秋刀魚を買ってきた。一尾300円くらいまで下がってきたそうだ。それに今朝は腸[はらわた]を取り去ってしまってくれる調理場のおばさんもいたようである。ここ残し秋刀魚の食べ方知らぬ妻(高澤良一)マスクも一枚あたり30円まで下がってきたので、それぞれに一箱買って帰ってきた。まだまだ先が長いようなので、使い捨てマスクから洗っ...
View Article(巻二十七)どのテレビつけても同じ秋茄子(山口木浦木)
(巻二十七)どのテレビつけても同じ秋茄子(山口木浦木) 10月13日火曜日 昨晩はサンマをありがたくいただいた。かわいいサンマの腸を抜き頭と尾も捌いて、とても淋しい姿になってしまった。それでも美味し! 恐竜も秋刀魚も骨を残しけり(中島正則) とうとうインターネット・エクスプローラーが使えなくなった。クロムなどは使えるようにしてあるが、盛衰だなあ。 散歩:...
View Article(巻二十七)装はれ老馬高ぶる秋祭(富田直治)
(巻二十七)装はれ老馬高ぶる秋祭(富田直治)10月14日水曜日部屋の中を蚊が飛び、細君の頸から少し失敬したようである。デング熱だのマラリアだのという物騒なことにはまだ至っていないが、通年蚊がうるさいということになってくるのかもしれない。洗濯機の前に飛来した蚊を両の掌でパシッと一発で仕留めた。老いたりと云えど彦左衛門なのか、寒さに弱った蚊なのか。手心を加えて秋の蚊を打てり(坂本昭代)鉢植えのミカンには...
View Article「ビアホールで - 清水哲男」エッセイ’ 91 から
ウィークデイの、とある昼下り。銀座の表通りに面したビアホールに入る。天井の高いこの店には、古い建物特有の冷気が漂っていて、肌に心地よい。この時間帯は、客もまばらだ。大きなジョッキと小さなつまみをひとつずつ取って、「さて、世の中はどうなっておるのかいな?」と、窓の外の通りを忙しげに歩く人たちを眺めるのが、私のたまさかの至福の時である。-よのなかにねるほどらくはなかりけりうきよのばかはおきてはたらくま、...
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