(巻三十三)露涼しついで詣りの野の仏(荒武蕾)
7月10日日曜日
葉が黄落して鉢植えのミカンに元気がない。水しかあげないのがよくないのか?水が足りないのか多すぎるのか?一番簡単そうなミカンでさえも育てられない。
生協に出かけた細君は蝉の初鳴きを聞き、蚊にくわれて戻ってきた。
昼の蚊の打ち得ぬまでになりにけり(石橋秀野)
と、そこまでは弱っていない。しっかりしているのでありがたい。
昼寝して汗をかく。
4時前に散歩に出かけた。図書館から時計回りで都住3、都住2、白鳥ファミマ、葛飾野高校の順である。都住3ではサンちゃんとフジちゃんに遊んでもらう。遠くの方で黒猫がこちらを眺めていた。都住2では太郎も花子も不在。猫婆さんがベランダから声をかけてくれた。ファミマに寄ってタラコスパゲッティーで路酎。葛飾野高校の野球部は試合を明後日に控えて練習中。母校は9対0で7回ゴールド勝ちしたらしい。一度は勝ててよかったね。
願い事-電球が切れるが如くで細君より先にお願い致します。怖くない、怖くない。
井伏鱒二の
つくだ煮の小魚
ある日、雨の晴れまに
竹の皮に包んだつくだ煮が
水たまりにこぼれ落ちた
つくだ煮の小魚達は
その一ぴき一ぴきを見てみれば
目を大きく見開いて
輪になって互にからみあってゐる
鰭も尻尾も折れてゐない
顎の呼吸するところには、色つやさへある
そして 水たまりの底に放たれたが
あめ色の小魚達は
互に生きて返らなんだ
という詩を知った。
この詩を紹介しているねじめ正一さんもつくだ煮ではなく煮干を連想したそうだ。
私は小さな煮干でお茶漬けを頂くが袋から出すとき何百尾が折り重なって悶え苦しんで死んでいる姿を見る。
日盛や動物園は死を見せず(高柳克弘)