(巻二十六)運動会午後へ白線引き直す(西村和子)
9月3日木曜日
散歩:
昼飯のおかず、つまり昨晩の夕飯のおかずの残りが僅かなので、「おとうさんはお弁当でも買って来て。外食はだめよ!危ないから!」
ということで駅前まで出かけた。
リリオ亀有図書サービスカウンターに『余禄の人生-深沢七郎』が届いていたので都合がよい。
往きは雨がパラつき、復りは気温が上がりで往復ともにバスに乗ってしまうという為体[ていたらく]で御座った。
忘年の駅乗り過ごす為体[ていたらく](高澤良一)
本日は三千百歩で階段二回でした。
弁当はレバニラ炒め弁当にした。レバニラ炒めという御馳走は流行り病が騒ぎになって以来初めてである。
税込五百円でご飯もレバ炒めもニラとモヤシの炒めもたっぷりで私の昼飯にはやや多すぎであった。味は濃いめで、嬉しいのは特有の匂いである。味覚と嗅覚で
弁当を楽しんだ。
租界めく町の匂ひや夏の果(村井康司)
ラジオ:
私は世の中のことをなるだけ知らず居たいので聴くのはFM葛飾の限られた番組だけである。
細君は世の中のことを解かっていたいと言い、NHK第一を付けっぱなしにしている。
普段は棲息圏を異にしているので、非常に生意気な言い方になるが、荷風のようなラジオ被害は受けていない。
ときどき細君が面白いと思うことを耳にするとノコノコとやってきて分かちあってくれる。
連添うて宝なりけり秋扇(加藤郁哉)
今日の面白話は、
ニュース解説者が「流れに棹さす」を本来の意味とは反対に“時流・大勢に逆らう”という間違った使い方をしたらしい。
直ぐに聴取者から指摘が入り、御詫びしたという話であった。
調べてみたら、“機会を捉えて時流にのる”、とか“推進する”というのがその意味と判った。
十棹とはあらぬ渡しや水の秋(松本たかし)
「知に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ。とかく人の世は住みにくい」
もその棹のところは正しく理解できるようになった。
住みにくい世は変はらじや漱石忌(辻雅宏)
願い事-叶えてください。
美味い物をいただくために生きていたくはありません。面白い話を聞くために生きていたくはありません。
静かに消してください。