(巻二十五)大音に落ちたる梨の怪我もなし(平畑静塔)
5月29日金曜日
義妹からお昼時に空を見ろと電話が入った。こちらは先のことを心配して鬱々としているのにあの一家には何千ピースのジグソウパズルで遊び空を仰ぐ余裕がある。実に羨ましい。
「あの家にはいずれお世話になるんだから、言われた通りに空を見て話を合わせましょう」
と言って細君は私を連れてベランダに出た。
鰯雲飛行機雲を許したり(蛭子停雲子)
しかし、我が身を振り返ってみれば、何の解決にもならない心配をしながら、ダラダラと飯を食っているだけなのだから
向かうから見ればこちらも春霞(あらいひとし)
なのだろう。
蛇足ながら「あの家にはいずれお世話になる 」とは、私の物としての始末と細君自身の身の振り方であります。
散歩に買い物
午後の散歩はもう止めた方がよい。
二千歩で汗をかいた。この天気で五千歩も歩いたら熱中症になる。
本日二千歩
生協でマスク五枚入り380円(税込)
を昨日から売り出していたが、飛ぶようには売れていない。やむなく買う人は腹立たしいだろう。
世事
夜のニュースを見て細君は元凶は飲み屋さんと断定した。そして今後二年間は飲み会に行かないこと、飲食店に入らないことの約束を迫ってきた。
遁世して以来飲み会はないので、“行かないよ、大丈夫だよ!”と言っておいた。
独り死んだ作家と酌むのもよいな。
将来と言うほどの長い余命はないがこの先どうなるのやら、どんな死に方をするのやら?
自らは打てぬ終止符水中花(卜部黎子)
願い事-叶えてください、一思いに。