(巻三十三)餅に海苔餅に黄な粉や命惜し(越高飛騨男)
4月14日木曜日
僅かに雨の降るなかを細君は3回目の接種に出かけて行った。八割方の年寄りは接種が終っているらしいが、細君が接種を受けるクリニックは予約も要らないそうだ。
私に限らず、3回目の副作用が一番キツかったという人が多い。細君もある程度は寝込む覚悟らしい。
あのクリニックは雨だと患者が少ないようで半日のつもりで出かけて行ったが、小一時間で戻ってきた。副作用が出てくるまでにと帰ってきてすぐに洗濯を始めた。
午後の散歩は雨で止め。写真は昨日の白頭タンポポ。
たんぽぽもけふ白頭に暮の春(召波)
細君の副作用も夕方までは発症せず。従って色々とうるさい。うるさい方が幸せなのだと言い聞かせて我慢。夜になって腫れによる痛みが出てきたらしい。
明日は寒くなるというので一度仕舞った長袖下着とタイツを風呂上がりに着た。
願い事-生死直結で知らぬ間に叶えてください。コワクナイ、コワクナイ。餅を喰うために命が惜しいとは思わないし、食い物、飲み物、色事、と何事にも未練はないし、ミームなどという身のほど知らずのことは考えにない。
死に際にとつて置きたきは春の雨(高野ムツオ)
と云うほどの趣のある雨ではなかった。が、心身苦痛なく眠るが如くなら外の天気は何でもいい。