(巻三十二)猫の子のひとり遊びを見てひとり(細川加賀)
3月11日金曜日
今世紀初頭に建てられたガードの緩い集合住宅なので訪問販売はやり放題である。入口には販売・勧誘のための立ち入りは禁止の旨の掲示をしているが、お呪いのようなもので今朝もお一人が入り込んできた。何とか共済の勧誘で若いと思われる声の女性がベルを押した。我が家では基本的に二人対応なので二人でインターフォンの前に立ち、私が「おはようございます。」と対応した。勧誘員は「パンフレットなどをお手渡ししたいのですが?」と用件を告げた。ドアを開ける気は毛頭ないが、逆恨みも怖いので「手渡しはお断りしたい。パンフレットは郵便受けに入れてください。」と穏やかにお願いした。「ありがとうございます。」と明るい声が却ってきて、パタンとパンフレットが差し込まれた音がした。
残るのは死んだ振りのみ四月馬鹿(本杉康寿)
午後はアリオのヨーカ堂へチノパンを買いに出かけた。途中で国保年金課への書類を郵送しようと郵便局へ寄ったが、流行り病の感染者が出たので窓口業務を休止するとの貼り紙が出ていてお休みだ。実際に感染者が出たという告知を見るのはこれが初めてだ。郵便局から二丁目の桜通りを歩いて環七に出て、アリオに入った。
ウエストのサイズは88で股下が68で、予算は1本八千円くらいだ。売場に到着し、初老の女店員さんに相談するとこれからの春夏物はこちらと品物を見せられるが、当方春夏物と秋冬物で4本揃えるつもりはないのでオールシーズンの四季パンはないのかと伺う。そういうのはないという返事をしながらウエストの伸び縮みする薄手のお洒落なエドウィンを奨める。どうも噛み合わないので後退りして一人で探すことにしたが、88というサイズがあるのはヨーカ堂ブランドだけで、ヨーカ堂ブランドだと三千円近くも安いのである。品質や仕立ての良し悪しは分からないが生地の厚さなどに差異はないようだ。おばちゃんに来てもらい試着して、丈をつめる折り返し分をクリップで留めてもらいキャッシャーへ行き一万一千円を払う。明後日の午後に出来上がりだそうだ。
帰りは駅前に回り、今日開店した崎陽軒の店先を覗いてみた。細君が外出の折り夕飯はここの弁当が増えることになりそうだ。
願い事-生死直結で静かに終りにしてください。コワクナイ、コワクナイ。
アベUさんがお亡くなりになったらしい。合掌。