(巻二十九) 子の無くて一期の不覚ぶだう食ふ(小林博明)
5月28日金曜日
午前中は、細君の洗濯の手伝い、飯炊き、昼食の仕度でした。米飯はここのところ夕食だけで、保存食ご飯を買っていたが、そろそろ飯を炊こうということになった。三合炊いて二人で夕昼夕と3回食べることにした。
菜飯炊く使ひ勝手の悪き釜(中島信也)
午後は図書館に行き予約してある角川俳句五月号ほかを借りた。
沁みる句に出会えないが、
人日や婦人雑誌の手抜き飯(木田人太)
を書き留めておいた。
図書館から生協へ廻り3円の袋では入り切らないほどの買い物をして5円のビニール袋に詰めて帰宅した。
夕飯は豚肉とレタスの煮物を作った。同じような手抜き飯でも昨晩の鶏の醤油焼きの方が自分では旨いと思う。
呆け-特になかったと思う。
願い事-叶えてください。フッと吹き消して下さい。
「子の無くて一期の不覚ぶだう食ふ」だが、共感して書き留めてたわけではない。自分の遺伝子を遺したかったという生物的な無念残念であれば、そうかとも思うが、そう言うことではあるまい。家族とか愛情の対象としての我が子というものが欲しかったというなら、不覚というほどのことでもあるまい。当たり外れがあるし、特に父と息子の場合は外れると思っていた方が無難である。私自身がとんでもない息子であったから、そう思うということではないようだ。
参考随筆
「親と子- 加藤秀俊」中公文庫 暮しの思想 から
「父親とのつき合い - 河盛好蔵」新潮文庫 人とつき合う法 から
「親と子 - 沼口満津男」93年度新鋭随筆家傑作撰から
愛情に対するリターンを期待するなら猫や犬の方が注ぎ甲斐があるだろう。
一心に見上ぐる子猫貰ひけり(吉田葎)