11月13日水曜日
農に生れ長じて小吏秋袷(猿橋統流子)
農には生まれませんでしたが、概ねそんな人生でございましたなあ。
秋茄子やあとは上手に果つるのみ(阿知波裕子)
でございますなあ。
数字が出てきました。昔、吉忠に「数字は嘘つかねえぞ!」と言って
叱られたが、食い違いはすぐにバレますからね。
今のところ整合性が取れております。
叱られて次の間に出る寒さかな(各務支考)
その他、面白いことはなし。
昼休みに句を探し、
遠見には案山子とみえて動き出す(大矢恒彦)
を書き留めました。
この句で、
うごくとも見えで畑うつ男かな(去来)
を思い出しました。
帰宅し、愛妻にやさしく迎えられるが直ちにゴミ捨てポストの確認、風呂掃除、配膳、と愛情に加えてお仕事も賜る。は“病院に行ったうえに、食事の用意もしたんだから疲れてんのよ~ん”と正当性をご主張された。
「猫の死について - 村上春樹」新潮文庫 村上朝日堂の逆襲 から
を読みました。
《 この猫は元気がよくて固太りした食欲旺盛な雄猫で - このへんの描写は村上龍氏のパーソナリティとは無関係 - 性格も開放的で、うちに来るお客にはなかなか受けが良かった。膀胱の具合が悪くなるといくぶん元気がなくなりはしたが、前日まではとてもそのまま死んだりするようには見えなかった。近所の獣医さんのところにつれていってたまった尿を抜いてもらい、結石を溶かす薬を飲ませたのだが、一夜明けると台所の床にうずくまって目をぱっちりと開いたまま冷たくなっていた。猫というのはいつも実にあっさりと死んでしまうものである。あまりにも死に顔がきれいだったので、日なたにそのまま置いておけば解凍されて生き返るんじゃないかという気がしたほどだった。》
この(あたしの)病気も猫だと割と簡単に苦しまずに逝けるんだ?