(巻二十五)六月の手応えうすき髪洗ふ(久野兆子)
3月26日木曜日
外出自粛が伝えられたらしい。我が家は一応の備蓄があるので買い足す物はないが、醤油と油と料理酒を仕入れに朝一で生協へ出かけた。
客はいつもの平日の朝よりはやや多目と見た。米とインスタント麺が売れ筋で、紙類はそれほど逼迫していないようだ。肉とか野菜とか、いわゆるペリッシャブル(お前は百合子か!)は買いだめできないから激減はしていないようだ。
味噌しようゆ切らさぬほどの年用意(園部佳成)
午後、散歩のついでに生協を覗いてみたが、米と紙類は売り切れで、インスタント麺は焼そばが残っていた。
焼そばはインスタント麺の中では旨い方だと思うのですが、なぜだろう?
焼そばのソースが濃くて花火なう(越智友亮)
子供電話相談室を聴いていたら、鈴蘭の毒性についての注意をしていた。確実性の点からはちょっと役には立たないなあ。
どんな花かと見てたが、小さな可憐なお花ですね。
はじめから毒茸と決め一瞥す(山田弘子)
厚労省が自殺予防月間のキャンペーンを顔本でもやっている。コメントが書き込まれているが、どれも陳腐なお役所への揶揄である。自殺と云うか、死ぬ権利を確立すべきという論があってよいのではないだろうか?
「死なない方がいいけれど、どうしてもと云うなら楽に死なせてあげますよ。だから、いつでも死ねます。それまでとにかく生きてみたらどうですか?」
あたしはそういう環境と仕組みがあって欲しいと願います。
大丈夫みんな死ねます鉦叩(高橋悦子)
この街の桜は今が見頃で、ハラハラと散りはじめています。
桜の名句の中では、
うつむきて歩けば桜盛りなり(野坂昭如)
がとても好きです。