10月30日水曜日
霞ではなく、霧がたちこめた今日の朝でございましたよ。
夏霧や妻は第一発見者(目黒輝美)
妻が第一発見者であってくれればこんなありがたいことはございません。状況を想像するに、「なかなか起きてこないので見にいったら冷たくなっていました」なんてところでしょうか?
後の処理が多少面倒ではございましょうが、長期にわたりご迷惑をお掛けすることもなく、あまり苦しまずに、恐怖も覚えずに逝けたという状況でしょう。
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今日は午後はサボって神保町の古本祭りに紛れようと目論んでいましたが、何だかんだとありまして抜け出したのが3時半でございました。
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駿河台下の三茶書房から探索を始め、一店目で
「文藝春秋編・巻頭随筆6 - アンソロジー」300円
「文藝春秋編・見事な死 - アンソロジー」300円
を確保しました。
これで結構満足してしまいました。
帰り道である神保町駅に向かう途中の小宮山書店の100円ワゴンに
「92年版ベスト・エッセイ集 - アンソロジー」文春文庫
がありましたので、嬉しくなって購入いたしました。
目の高い人に拾はる彩落葉(丸山佳子)
これで巻頭随筆は1、2、3、4、飛んで6となりました。いずれどこかで5に出逢えればと思います。
ベスト・エッセイ集は89、91、92、09、10、11とすこしづつ揃って参りました。こちらも廻り合いに期待して揃えてまいりまたいと存じます。
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「夏の女 - 鏑木清方」岩波文庫 鏑木清方随筆集から
を読みました。
《 顔の美しい人はあっても手足の美しいのは少い。前の方は見られても、背中の美しい人の少いことを熟々[つくづく]感ぜしめられる。和服の場合は帯でかくせるが、洋装の場合、ワラ布団のような背中をして往来を歩いているのが非常に多い、それがあまり見よくない。前のことは考えても、背中のことは考えないのであろう、そのくせ背中の肉体全部露出する服装さえある今日なのに.....但しこれは日本では海水浴場位でなくては見られぬが.....後ろの方のことももっと考えなければなるまい。》
背を割りて服脱ぎおとす稲光り(坂間晴子)