(巻二十四)里人の寄り合ひ多き春隣(小林景峰)
12月11日水曜日
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午後は南に散歩した。この辺りには低層の都営住宅が多い。あたしも都営住宅育ちだ。低層だからエレベーターはないようだが、高齢者や障害者の方々はどうしているのかな?
生協のイート・インで珈琲を啜り、そこから私立高校の方へ歩いてみた。
校庭は狭いが沢山の女子生徒がサッカーの練習に励んでいた。女子にサッカーはこんなに人気があるのかというほど大勢が小グループで練習していた。
運動部の練習というと掛け声が付き物でやたらとうるさいという先入観を持っていたが、ここの練習は異様なほど静かでボールを蹴る音しか聞こえない。
このコースだと五千歩に届かない。
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「「安楽死」夢想(抜き書き) - 新藤兼人」新潮文庫 ボケ老人の孤独な散歩 から
を読んだ。
《シナリオライターの八住利雄氏が五月二十三日亡くなった。八十九歳だった。亡くなる数日まえ胸の痛みをうったえて近くの病院へはいった。》
が導入部で、
《 十数年まえ、ぷつりとシナリオを書くのをやめ、自ら元シナリオライターと名乗ってシナリオ作家協会の理事長をつとめ、日中シナリオシンポジウムなとに尽された。まことに理想的な老年を過されたといっていい。
たおれて病院へ運ばれるとき、ああ、つまんねえ、と呟かれたそうだが、何がどんなにつまらなかったのか。》
と結んでいる。
『ああ、つまんねえ、と呟かれたそうだが、何がどんなにつまらなかったのか。』
きまってんじゃねえか!
着ぶくれしわが生涯に到り着く(後藤夜半)